
60歳になって企業等を退職し、年金を支給される手続きを採るようになるのが一般的だと思います。でも、よく考えてみましょう。60歳は心身ともに元気溌溂している人が大多数ではないかと推定します。つまり、どこかの事業所に勤務した場合は年金が減らされることはベーシックにあります。
目次
【年金減額の仕組み】
ここで、明確に押さえておかないといけないことは
在職老齢年金 = (厚生年金 + 賃金) > 基準額 ⇨ 年金減額措置 |
であることをしっかり認識することがポイントとなります。60歳に達して、かつ70歳に達していない人が厚生年金保険の適用事業所に勤務しているとすれば、必ず厚生年金保険に加入しなければならないことをしっかりと頭に叩き込んで下さい。ただし、勤務時間が短い場合は加入する必要条件から外されます。以上が基本条件です。
【年金減額の計算方法】
ここで計算される項目を抑えておきます。まずは計算する場合は月額ベースで基本として行います。
基本月額をA、総報酬月額をB、在職老齢年金をCとします。
★ A = 年金受給額の12分の1
★ B = 月収 + ボーナスなど
★ C = A + B
【年金減額 60歳以上かつ65歳未満】
在職老齢年金(C) = 基本月額(A) + 総報酬月額(B) |
在職老齢年金(C)
( = 基本月額(A) + 総報酬月額(B) ) |
年金減額措置 |
C≦28 | 支給停止額 = 0 |
A≦28、AND、B≦47 | 支給停止額 = (C-28)*1/2*12 |
A≦28、AND、B>47 | 支給停止額 = {(47+A-28)*1/2+(B-47)}*12 |
A>28、AND、B≦47 | 支給停止額 = B*1/2*12 |
A>28、AND、B>47 | 支給停止額 = {47万円*1/2+(B-47)}*12 |
60歳以上で65歳未満の人は在職老齢年金を28万円以下に抑えれば、年金減額はされません。
【年金減額と高年齢雇用継続給付を受ける場合】
年金をもらいながら厚生年金保険に加入している人が高年齢雇用継続給付をもらう場合は注意が必要です。仮に年金の支給措置を受けた場合、高年齢雇用継続給付も減額されることに留意する必要があります。
【年金減額 65歳以上】
筆者のように75歳でも対象となります。上述した計算とは若干異なります。
在職老齢年金(C)
( = 基本月額(A) + 総報酬月額(B) ) |
年金減額措置 |
C≦47 | 支給停止額 = 0 |
C>47 | 支給停止額 = (C-47)*1/2*12 |
65歳以上になれば、在職老齢年金を47万円以下に抑えることで、年金の減額から免れることができます。アルバイトをする場合はこの点を注視位していけば、減額の措置を受けることはなくなります。
【事業主の場合の年金減額】
事業主であればという疑問の声をよく耳にします。例え事業主であっても、年金減額措置の考え方は適用されることになります。上述した計算に注目することが肝要です。
【年金減額の課題】
結論から言いますと、60歳から65歳まで在職年金が28万円以下に抑え、65歳異常の火とは47万円以下に抑えると減額はされません。しかし、現代においては寿命が延びて元気な高齢者がいます。彼らの働きたいという意欲をもっと汲み上げることが肝要ではないでしょうか。