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企業にとっては労働社会保険への適正な加入は、従業員が安心していきいきと働ける職場環境づくりには必要不可欠です。筆者も長年起業して経営していたこともあり、社会保険業務は大変です。CSR(企業の社会的責任)やコンプライアンス(法令順守)の視点及び手続きを行わなければ、従業員の労働災害や失業、病気やケガ、あるいは定年後の年金などについて、給付を受けられないなどの重大な不利益につながってしまいます。さらに、労働社会保険の手続きは、制度の複雑化に伴い、書類の作成に時間を費やす等、経営者・人事労務担当者の負担を増大する一方です。
そこで、”どのようなアクションをしたいのか”という点に着目して把握してみます。現使用中の社労士向けのソフト(例:ろうむ in One)から以下のような帳表を出力します。
これらの帳表が今回のアップロードの対象となります。つまり、入社・退職・年末調整など人事労務に関わる帳表を作成するソフト(オフィスステーション)にアップロードすることになります。その結果、以下のようなフォーマットシートになります。
上記のフォーマットシートの例は4~8行目に入力されています。この形式に準拠して社労士向けのソフトから出力したデータを入力していけば完成となります。
【大枠の動作イメージ】
転記元である現使用中の社労士向けのソフト(例:ろうむ in One)からの出力データを転記先であるオフィスステーションのフォーマットシートへそのまま転記して済むというのであれば非常に楽ですが、下記のような場合はそのまま転記するわけにはいきません。
その他にも日付の書式相違、続柄の有無等がありましたので、転記先の形式にそろえる作業を行った上でコピー&ペーストするプロセスに切替えて円滑化をすると具合いがいいです。その結果、大枠の動作のイメージが出来上がり容易にロボットを作成することが出来ました。次に詳細部分をみていきます。
【詳細動作について把握】
転記元である現使用中の社労士向けのソフト(例:ろうむ in One)からの出力データを直接excel上できちんと整形して、転記先であるオフィスステーションのフォーマットシートへそのまま転記するというプロセスになります。
プロセス1)社労士向けのソフトからの出力データに転記・整形用の列を挿入
プロセス2)上のプロセス1)で挿入した列に必要に応じて関数を入力
プロセス3)上のプロセス1)に対して別のセルからデータを転記し、整形を行う
プロセス4)整形を行ったデータ、整形の必要のないデータ、これらのうち必要なデータをすべて転記先であるオフィスステーションのフォーマットシートへ転記
他の方法として、転記元である現使用中の社労士向けのソフト(例:ろうむ in One)からの出力データを一旦整形専用のEXCELシートに対して必要情報を転記して整形する方法もありますが、今回は転記元である現使用中の社労士向けのソフト(例:ろうむ in One)からの出力データを直接EXCEL上で成型する方法を採用します。まずは”転記元である現使用中の社労士向けのソフト(例:ろうむ in One)からの出力データに転記・整形用の列を挿入”というプロセスを把握します。すなわち、RPAが稼働中にまずは
●氏名
●郵便番号
●住所
の項目を転記先の形式に変換する必要があるため、その分の列を確保した上で計算します。以下のその具体例を表示します。
緑色の列は予め変換のために確保した項目です。つまり、D,E,J,M,N,Oの6列を追加することになります。転記元の何列目のデータを転記先の何列目に差し込むプロッスを行って確認した結果、以下のようになりました。
今後も組む際に変更が出る可能性が考えられるためそのまま残しておきます。
その他の項目に対して以下のように整理してみました。
貼り付ける動作はEzRobotの基本機能である「繰返し」が利用出来ます。また、転記元と転記先のセルが決まっていることから、列のデータを変数に格納してデータがなくなるまで繰り返すことよりスマートかもしれません。
このように、ロボットを組み始める前に”多少曖昧であったとしてもある程度の大枠の予測”と”どのような流れで組んでいくか”のイメージを膨らませることで、それ以降の作業が進めやすくなりますので、参考にして下さい。
【まとめ】
今回は
●転記元の姓名、住所などの形式を転記先のフォーマットに準拠して変換
●転記先への貼り付け
というEXCEL内で完結する動作の導入部分になります。さらに、今後はショートカットキーの使用法、変数の扱い方といった応用編を記事に投稿する予定でいます。