実際に使用されているシナリオを題材にしながら、RPAであるEzRobotを組み立てる際の考え方を概説します。この場合、その他のツールにある拡張機能は全く利用せずに基本機能のみで組み込む内容を前提として説明してします。また、以下のようなことで困惑している場合でも、何らかの業務改善のヒントになれば幸甚です。
●RPAの組み方がいまいちよくわからない
●組み立てたRPAが作動せずに止まってしまう
【自動化前の作業概要】
自動化する以前は下記のようなプロセスを踏んでいました。まずはじめにEXCELに対して必要なデータを入力し、入力データを元にしてそれぞれの業務に必要情報を登録する処理、つまり転記します。
1つの顧客に対する仕事量は決して多くはありませんが、それでも20分程度の作業時間を要していました。e-Tax、eLTAX、弥生会計、MoneyForwardクラウド、税務ソフト(達人など)といった業務への転記が詳細に亘って行う必要があり、結構神経がすり減ってしまいます。もちろんミスはゆるされません。増加する顧客数にも対応出来るように、今回はこの作業処理を自動化の対象としました。
例えば、下記は業務ソフトの入力画面です。
【RPAによる自動化後の作業概要】
作業2のプロセスを人的作業をロボット化することに焦点を当ててみました。
(作業2)
その結果、以下のようなプロセスに置換されました。
ということで、人が行っている部分が丸々EzRobotに置換されました。EzRobotはe-Tax、eLTAX、弥生会計、MoneyForwardクラウド、税務ソフト(達人など)といった業務への操作を可能としました。つまり、EXCELから顧客データを読み取り、それをe-Tax、eLTAX、弥生会計、MoneyForwardクラウド、税務ソフト(達人など)といった業務ソフトの項目に入力して登録ボタンを押せば、登録完了という一連の操作が可能となりました。
作業1で作成するデータは下記のような書式になっているため、作業2における入力データとしてそのまま利用することができます。
ただ、以下のような表形式にしておいた方がデータの管理上都合がいい。その理由として、項目とデータとの関連が一目瞭然でわかりやすくなっているためと、複数の顧客データを1つのEXCELファイルに記載出来るための2つの理由によります。
ということで、上の表から下記の書式に転記します。つまり、転記用のRPAシナリオを作成する方法も一つの手です。
【更なる自動化の推進するためには】
作業1におけるの部分が自動化されていません。この部分が少しでも省力化出来ると更なる効率アップが図ることが出来そうです。例えば、顧客の利用申込書をOCRで読み取ってEXECLデータに転記する方策を考えてみます。
●方策1・・・顧客の利用申込書をOCRで読み取ってEXECLデータに転記する
※OCRは精度面で完全ではないため人によるチェック機能が必要
●方策2・・・顧客の利用申込書を電子化してEXCELデータに転記するところまでをRPAで自動化する
といった方策が考えられますが、今のところ、基本的には顧客自身に顧客データを入力していただき、それを有効に活用する方策を講じます。このように作業2の場合に比してハードルは高いのですが、このハードルを越えることで自動化できる業務が他にも出て来る可能性があるため、検討する価値は十分にあると思います。
【まとめ】
Excelデータを元に複数の業務ソフトに転記を行うプロセスの自動化を記述しました。完全自動化ではないため、EXCELや紙の書類から1つずつ情報を取り出して入力しなければなりませんが、EzRobotを活用することでワンボタンですべての転記を行うことができます。自動化によって
●単純作業からの解放
●入力漏れ・ミス防止
などといったメリットが産出出来ました。