人材派遣・SES(=システムエンジニアリングサービス)業界におけるRPA導入事例を、入退社、入退場、評価関連 のカテゴリに分類して概説します。
<注>SES(=システムエンジニアリングサービス)とは、ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種のことをいいます。
RPAツールであるEzRobotの初期画面に関する操作について簡単に説明します。
1)まず最初に手順を行う機能を選択します。
2)次に手順の詳細を記述します。
3)一連の手順が記録されます。
4)「実行( )」ボタンをクリックして処理を始めます。
【入退社】
この段階では企業にとっては極めて重要なプロセスとなります。
①選考
採用管理ツールの更新、及び応募者への対応連絡などを自動化する作業を行います。
●応募者登録 ・・・ ホームページや求人媒体などからの応募情報を採用管理ツールに登録します。
●日程調整 ・・・ 空き日程を探索・抽出し、メールを送信します。
「この応募者は優先的に対応する」「この属性の応募者には担当者はこの人にする」等といった頻繁かつ複雑な判断が入る場合は、自動化の対象外になりますことに留意します。
●選考状況管理 ・・・ 選考結果、面接官のコメントなどを採用管理ツールに反映させて選考状況をキメ細かく管理していきます。例えば、面接官ごとの採用・通過率をアウトプットして、面接官によるバラつきをコントロールすることが重要となってきます。
●内定の対応 ・・・ 内定者をリストアップして一覧表を作成し、この一覧表を基に合意書の作成を行います。
②入社対応
Excel、人事ソフトなどのデータを基盤にしたマスターデータを基に、様々な各種プロセスを自動化します。
●社内アカウント・メール・アドレス・社員番号の発行
●PCキッティング
●人事・給与ソフトに対する登録
●社会保険・雇用保険被保険者資格届作成
マスターデータ作成のみが手作業で、それ以外はRPAに任せる形態となります。
③休職、身上異動、退職対応
入社対応に準じるプロセスを自動化します。
【入退場】
この段階での業務量は多く、かつ定型が大半占めます。そのため、本業界における本丸となる業務となります。さらに、取引先との円滑、かつミスのない遣り取りが求められますので、精神的負担が大きい業務であるため、可能な限り自動化を進めておきたい業務といえます。
①入場営業
●Webからアプローチ先リストの作成
●営業支援システム、顧客管理システムへの登録
●スキルシートの作成、スキル情報記載メールの送信
②入場・勤務
●マスターデータを基に労働者派遣個別契約書、派遣通知書、就業条件明示書などの各種契約書の作成
●顧客管理システムに対する契約内容の反映、更新
●シフト変更の連絡をシフト管理表へ反映
●単金、現場情報、経験等の情報を管理表へ反映
●待機、営業共有メール送信
③請求・給与
●客先と自社の勤務表の差分検知
●勤怠データを基に請求書の作成
●交通費申請内容の適正チェック
●交通費、諸経費の給与・会計への取込
【評価】
この評価に関しては、評価算出ロジックが定められていることが自動化の前提条件となります。
●勤務状況の評価
●技術手当・リーダー手当等の等級に対応した評価
●客先評価及び社内評価の算出ロジックに基づいた評価
●資格取得情報の管理表への反映、資格期限についても反映
●保持資格手当の給与への反映
●算出された内容での合意書の作成
以上、人材派遣・SES(=システムエンジニアリングサービス)業界におけるRPA導入事例を、入退社、入退場、評価関連 のカテゴリに分類した説明でした。