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筆者の周辺で、”RPAの組み方がいまいちよくわからない”、あるいは”組んでみたものの途中で止まったり動かなくなったりする”等の声が聞こえてきます。そこで基本的な機能だけで容易に組むことが出来る方法を概説します。皆さんの業務改善のヒントになれば幸甚です。
【はじめに】
まずは、 ”どのような動作をしたいか” の把握を行います。つまり、どのようなシナリオを描くかがイメージして構築します。これはとても重要な事ですのでとことん突き詰めて描くことです。具体的にシナリオを描くために労務士ソフトで出力したデータを利用します。横長の出力データであるため、表示上2つの画像にしています。データはサンプルとしてランダムに生成したものです。
次に、労務士ソフトにアップロードするためのフォーマットシート(P列まで)が以下のようになっています。表示上、1枚の画像にしました。
この表では4~8行までが既に入力されていますので、9行目以降データを入力していけば完成となります。
【大枠の動作のイメージ】
転記元である労務士ソフトから出力されたデータがそのまま転記先であるオフィスステーションのフォーマットシートに転記出来れば非常に楽ではないかと思われますが・・・。そんなに甘くありません。以下の項目は編集する必要があります。
大枠の動作のイメージが明確になってきました。
【動作の詳細についての把握】
大まかなプロセスの流れは労務士ソフトから出力されたデータを直接、EXCEL上で整形してオフィスステーションのフォーマットシートに転記することを基幹ととして、さらに細分化を行います。
1. 労務士ソフトから出力されたデータに転記用の列を挿入
2. 1.で挿入した列に必要に応じて関数を入力
3. 1.の列に対して別のセルからデータを転記し、整形
4. 整形を行ったデータ、整形の必要のないデータ、これらのうち必要なデータをすべてオフィスステーションのフォーマットシートに転記
なお、労務士ソフトから出力されたデータを一旦整形専用のEXCELシート上に対して必要情報を転記し整形する方法もありますが、ここでは、労務士ソフトから出力されたデータを直接、EXCEL上で整形する方法を採用して行います。
まずは ”1. 労務士ソフトから出力されたデータに転記用の列を挿入” という動作について把握します。
RPA動作中に、まずは
・氏名
・郵便番号
・住所
の項目を転記先の形式に変換する必要があるため、その分の列を確保して計算します。理解しやすいように以下のように画像を工夫しました。
緑色の列は転記先の形式に変換するために確保した項目となりますため、D、E、J、M、N、Oの6列が追加の列となります。
上記の列追加も計算に入れた上で「転記元の何列目の情報を、転記先の何列目に差し込むか」となりますが、ひとつひとつを確認していったところ、このようになりました。
以下は各項目に対する処理内容となります。
【そのまま貼り付け】
従業員番号、性別、健康保険証番号、気竿年金番号、雇用保険番号、健保、最新標準報酬、厚年、種別、変更日
【関数で調整】
姓、名、住所1、住所2
【表示形式を変更】
入社日、雇用取得日、健保取得日、厚年取得日、基金取得日、生年月日、退社日、健保喪失日、厚年喪失日、基金喪失日、雇用喪失日
【項目追加】
本人
こちらも実際にひとつひとつ組みながら確認していきます。
ということで、EzRobotの基本機能である繰返しを使ってロボットが作成出来そうたということが理解出来たのではないでしょうか? 上記のように「転記元と転記先のセルの列が決まっている」ため、列の値を変数に格納して、データがなくなるまで繰り返しを採用するのもよりスマートかもしれません。
ここまでの流れのように、実際にロボットを組み始める前に“多少曖昧だとしてもある程度の大枠の予測”と”どのような流れで組んでいくか”のイメージを膨らませることにより、以降の作業を進めやすくなります。
【まとめ】
今回の動作は
・転記元の姓名や住所等の形式を変換
・転記先へ貼付け
というExcel内で完結する動きの導入部分になります。Excel関数を使ったデータの変換方法についても参考になったと思います。