目次
現代ではユーザー側のニーズが多様化していて、ますますマーケティングインのマインドが要求され分析手法も混沌としています。そんな中で、4C分析が注目されています。4C分析とはアメリカ経済学者バート・F・ローターボーンが1993年に定義された手法で、4つのC、すなわち、Customer Value(顧客価値)、Cost(顧客の時間・金銭・心理的負担)、Convenience(利便性)、Communication(企業・顧客間のコミュニケーション)を顧客目線に立って、自社の商品やサービスについて考えられることを特徴としています。顧客ファーストなマーケティング戦略が主流になっている現代においては最適なフレームワークといえるのではないでしょうか?
では、4C分析手法を具体的にみていきましょう。
4C分析手法の具体例
Customer Value(顧客価値)
商品やサービスを購入した顧客が、どんなポイントに価値を見出しているかを分析します。さらに、購入した時だけでなく、利用した時に得られる価値や満足感についても分析を行う手法です。具体的には下記の要素についてキメ細かく分析を行います。こうすることで顧客価値を分析して、ニーズを正確に把握できるようにしていきます。
- コスパが良い
- デザイン
- 機能性
- サイズ・重量
- 所有感
Cost:顧客の時間・金銭・心理的負担
コストは、商品やサービスを購入する時や利用する際、顧客にかかる負担を意味しています。顧客コストの定番の要素は以下の通りです。
- 商品に支払った費用
- 購入までにたどった導線
- 比較検討した時間やストレス
- 商品が手元に届くまでの時間
- サービス利用開始までの手続き
Convenience:利便性
顧客が商品やサービスをスムーズに購入できるかを分析するのが利便性です。
- 実店舗・オンラインに限らずWebサイトはあるか
- ネットショップは商品選択から決済まで分かりやすいか
- 商品に問題があった時のサポートの種類
店舗数が少ない場合、販売代理店やECプラットフォームを利用して、販売機会を増やす必要があるのではないでしょうか? ということで、顧客が手軽に商品を購入できる環境作りがさらに重要になってきます。
その他、利便性という点では、購入者のカスタマーサポートのバリエーションも利便性という点で重要になってきます。メールだけでなく、迅速なチャットサポートや電話など、顧客目線で「あったら良いな・・・」を分析していきます。
Communication:企業・顧客間のコミュニケーション
商品やサービスと顧客の接点を分析するのがコミュニケーションです。
- SNS
- サポート
- イベント
- 広告
- 実店舗
顧客とどんな接点を持っているか把握することが、コミュニケーションにおける分析ポイントです。つまり、円滑にコミュニケーションがとれるかが、利便性の項目でも重要になります。顧客目線で「関わりやすさ」を分析していくことが重要です。4C分析は、しばしば他のフレームワークと混同されがちであることに注意することが肝要です。
4Cは「顧客目線」4Pは「企業目線」
4Cと4Pを両方活用することで、顧客と企業の両方から分析することが可能となります。セットで使われるフレームワークとしても有名です。売り手と買い手のズレを発見したり、ニーズを満たす商品作りにも役立ちます。
4C分析の活用方法シーン
4C分析は主に以下3つの用途で活用できます。
新商品やサービス開発
新しい商品やサービスを顧客視点で分析することで、満足度アップや差別化に繋がっていきます。企画の段階で4C分析を行うことで、ニーズとのズレが分かるはずです。買い手にとっての価値や魅力を理解できると、商品だけでなくキャッチコピーや宣伝方法などのアイデア出しにも活用できます。
既存の商品やサービスの改善
4C分析は、新商品やサービスだけでなく、すでにある商品やサービスに対しても使うことができます。顧客の視点から商品を分析して問題点を発見することがポイントです。
競合分析
顧客視点から競合の分析に対しても活用することができます。自分が買い手として、客観的に競合の商品やサービスを分析することで、自社との違いや差別化できるポイントを見つけられます。4C分析で、ライバルから成功や失敗の原因になるヒントを得ることができます。