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過去から現代までの商品やサービスに関する情報及びデータを収集して分析することに主眼としているのが市場調査ですが、マーケティングリサーチは数値やデータからこれからの商品・サービスの市場動向を予測し考察することに重きを置いている点が大きな決定的違いとなっています。つまり「現代から未来へ」向けてのニーズを探索することといえます。マーケティングリサーチを定義しますと、それぞれの企業におけるマーケティングに関する活動を行う上で必要となる情報を、一般消費者をはじめとした、いわば、ターゲットとなる顧客から情報及びデータを収集して分析することです。その結果、収集・分析するデータから、その実態構造の把握・将来的構造の創造材料などを得ることができるようになります。ということで、消費者視点の情報を企業に集約する役目を担うのがマーケティングリサーチです。顧客のニーズを踏まえた企業活動を行うためには、マーケティングリサーチは非常に有効です。
マーケティングリサーチの役割
マーケティングリサーチは主に以下のような役割を担っています。
顧客の実態ニーズを把握する
新しく商品・サービスを開発したい場合でも、マーケティングリサーチは活用することができます。リサーチデータを活用した商品・サービス開発は、ネットリサーチなどで得た何百人、何千人のアンケート結果という数値的根拠、 人々へのインタビューから得た実際の声に基づいています。マーケティングリサーチを行うことで顧客のニーズと想いを捉え、本当の意味での顧客起点の商品・サービス開発を実現することができます。
顧客起点の商品開発を行うことができる
マーケティングリサーチを行うことによって、商品・サービスの購入経験や利用経験、認知度や好感度といったイメージなど、「顧客がどのような人たちなのか」、「何を思っているのか」という顧客の実態について知ることができます。そして実態だけでなく、顧客のニーズについて把握することも可能となります。やはり現代ではますます、顧客中心、顧客起点のマーケティングが求められているようです。
リスクを軽減させる
マーケティングリサーチは経営リスクを軽減します。例えば商品コンセプトの方向性を決めるとき、数十人へのインタビュー調査から得られた結果をもとに既存の商品コンセプトを改善し、さらに大勢へのアンケートで改善した商品コンセプトの受容性を確認するといった着実なビジネス展開が可能です。検証なくしては、PDCA(=PlanDoCheckAction)は回りません。仮説の立案と検証を繰り返すことで、改善のPDCA(=PlanDoCheckAction)を効率的に回すことができます。
マーケティングリサーチの手法
マーケティングリサーチには、取り扱うデータの種類によって、定量調査と定性調査に大きく二分されます。
マーケティングリサーチの流れ
課題解決に有効なマーケティングリサーチを行うためには、調査で明らかにしたい内容を整理し、「使えるデータ」が得られるような調査設計や分析を考えることが求められます。マーケティングリサーチのプロセスは、下記に示すように5つのプロセス・フローで進めていきます。
(1)調査目的の明確化
まずは、お客様が抱えている課題を改めて整理します。課題解決のために必要なデータをイメージし、調査で明らかにしたいことをお客様が主体となって明確化します。
(2)調査計画の決定
調査の目的を果たせるような「調査対象者の条件」「調査項目」「調査手法」「サンプルサイズ(調査の対象人数)」「スケジュール」の5項目を決定していきます。
(3)調査実施
内容を固めた上でのマーケティングリサーチを実施します。実施する調査手法によってインターネットでアンケートを配信したり、インタビューを実施したり、テスト品を試してもらったりと、データ収集の方法は様々です。お客様が抱えている課題の解決に最も有効だと思われるデータ収集の方法を提案していきます。
(4)結果分析
調査から得られたデータを分析します。得られたデータの種類、データの活用イメージによって分析手法は異なるため、最適な分析手法を提案します。統計的な分析を実施しない場合であっても、調査結果から何がいえるのか、その結果何を行えばよいのか示唆を得ることが、結果分析のゴールとなります。
(5)意思決定
課題の種類、或いは施策の種類、それに伴う費用を鑑みて、すぐに施策を実行に移すべきか、それとももう一度検証のためのリサーチを行うべきかを決定した上で実行します。
以上が、調査目的の明確化から調査実施、調査結果を施策に活用するまでのマーケティングリサーチの一連のプロセスの流れとなります。