現在は数多くのRPAソフト、すなわちRPAツールが出回っています。評価もさまざまです。ネットで調べても比較サイトが非常に多くなってきています。調査をすればするほど迷いが多発して途方に暮れるのではないでしょうか? RPAソフトを比較する前に、まず抑えておくポイントを挙げます。
▲自社の業務に実際に役に立つのか?
▲価格に見合った効果、いわば費用対効果どの程度期待できるのか?
▲業務の効率化には関心はあるものの、どこからどう切り込んでいくのかが良くわからない?
ということで、今回は経営目線、従業員目線で論じてみます。
【経営目線における認識】
よくある話ですが、「売上が上がる訳ではなく導入コストが余計にかかるだけで、メリットは一つもない」と考えられてしまったとか、「すぐにでも自動化したい」と早急な結果を求められてしまった等の声がしまいます。単調な作業、定期的に行う作業が多い場合には、RPAによる自動化は非常に効果的です。人間の作業時間を減らして空いた時間を有効的に活用することが出来ます。
しかし、「業務を自動化しただけではメリットは感じにくい結果になってしまいがちです。人間の作業時間が減っただけで、ロボットが稼働している間は従業員はほぼ仕事をしていない状況になってしまうからです。
★残業を減らす
★単純なミスをなくす
という効果は出ますが、企業にとっては様々です。そこで、業務の自動化によって産出された時間をいかに他の業務に有効活用出来るか否かといった視点を重視して社内的に取り組むことができないと、「導入に関する費用対効果を産み出す」という着地は難しいと思われます。経営者層にプレゼンする場合には、自動化した後の効果を伝えていくことが肝要です。つまり、経営者層に「なるほど」と感じてもらうことが重要です。
また、RPAを導入したとしても直ちに自動化は出来ません。自動化の対象業務をRPAの作業手順に組み入れていくフェーズからスタートすることになりますから、早急な結果を求めることは不可能です。組み込む際は、それなりに集中出来る環境にあるため、普段の業務を遂行している状態にさらに「RPAを組む業務」がのし掛かってくる訳で、担当者には大きな負担になってしまいます。忙しい状態で片手間にRPAを組む業務にとりかかると
★作成に時間がかかる
★集中出来ない状態のため、品質の高いロボットが作成出来ない
★結果的に思うようなロボットが稼働せず、自動化が円滑に進行しない
といった悪循環に陥ってしまいます。
従って、業務を自動化する場合は「組み込む時間の先行投資」がどうしても必要となります。担当者のみで行いますと、どうしても負荷が大きくなってします。周囲の人たちが少しずつ業務を負担する等、社内でのフォローが必要となります。ということで、周囲の協力が得られるよう巻き込んでいくことでさう。場合によってはトップダウン式に行っていくことも考慮してします。
【従業員目線における認識】
仕事の環境が変わることに対して、従業員は否定的になりがちで、なかなか思うように進めることが出来ません。
●自分が今行っている業務が変わったしまい、新しい仕事は覚えたない気持ちになってしまう
●今の仕事がなくなり、次は難しい仕事をやらされるのでは・・・
●単純作業しか出来ない自分は解雇されるのでは・・・
●単純作業が好きなので、ロボットには仕事を奪われたくない!
●あれこれ考える仕事は好きではない
これらが自動化した場合に最も多いケースで、否定的になる傾向です。このことを防ぐために以下のような策を施す企業が増加しています。
1)自動化の目的を従業員を減らすから生産性を高めるに切り替える
2)より価値の高い仕事が出来るようになる
3)自動化後の業務の形を明確にする
このようにビジョンを共有して前向きに協力して貰えるように説明することに力を入れるようにします。
ところが、ある某企業で「残業時間を全体的に減らすために、RPAを導入。多くの業務を自動化することに成功したにも拘わらず、何故か思ったように残業時間が減らなかったことが起こりました。原因を調べていくと、残業代を稼ぐ目的の従業員がいたことが判明しました。このような場合は、導入後のビジョンとして「原則残業はしない」と掲げてRPA導入を進めると防ぐことが出来たかもしりません。
【RPA比較】
主要なRPAツールを比較しました。初期費用、月額料金は、契約台数、提供形態や自動化する業務にオプションが必要かどうかによって大きく変わってきます。
【まとめ】
RPAを導入するためには、社内の受け入れ体制を事前に済ませておくことは、円滑な自動化実現には非常に大切な課題の一つです。もう一点、単純な作業は「眠くなる・飽きる・精神的に続かない」というメリットを忘れないようにすることが 肝要です。
【最後に】
自動化に伴って引き起こされるリスク「単純なミス・モチベーションの低下等」を「ロボットと一緒に働く」ことにより回避し、人間はより人間らしい働き方を企業として推奨することが可能となります。
ロボットは人間と違い以下のように気を遣う必要はありません。
●24時間365日働き続けます(労働法規に縛られることもありません)
●疲労もなく、メンタルも常に安定しています(長時間労働でもミスもなく、疲労による作業効率も落ちません)
●低賃金、賞与、昇給、社会保険不要(何時間働いてもRPAの固定使用料のみです)