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人間がパソコン上で行うオペレーションは基本的にはRPAでもオペレーション可能です。
しかしながら、人間と違ってRPAは予め決められた手順しか行うことが出来ません。従って、複雑な判断が伴う作業ではRPAにとっては非常に難解です。逆に手順が決まっている作業、つまり定型的作業はRPAにとっては得意分野で自動化にはもってこいの作業です。と同時にRPAを導入した場合のコスパを考察します。
【RPAで行える作業とRPA導入の効果】
今回は自動化が容易な分野、すなわち、あるサイトから圧縮したファイルをダウンロードしてファイルを展開します。その後、決まったフォーマットでファイル名を変更するという一連の定型業務を対象とします。これは実際に行われている社会保険労務士様の事務所内における業務です。この業務には 1件につき10分程度の作業時間を要しています。これが毎日数件から数十件あります。1件あたりの作業時間はそれほどでもないように思えますが、件数が増えていくに従いかなりの時間がかかってしまいます。場合によっては2~3時間かかってしまいます。しかも作業が単純であるため精神的が負荷が大きくなります。このような単純な作業こそRPAを大いに活用して自動化を図りミスをなくし、その分の労力と時間を他の仕事に振り向けるような策を講じます。
EzRobotを用いて実際に以下の作業を自動化しています。
①BWebブラウザでホームページを開き、ZIPファイルをダウンロードする
②ダウンロードしたZIPファイルを展開する
③展開された複数のファイルを、決められたルールでファイル名を変更する
④保存先フォルダへ移動する
1.Chromeで所定のURLを入力
2.ダウンロードしたZIPファイルを展開する
zipファイルの展開もいろいろな方法はありますが、よくあるWindows標準の機能を利用する場合
エクスプローラー上でファイルを右クリック
→ 上部メニューの「圧縮フォルダーツール」を選択
→ 「すべて展開」を選択
→ 展開先のフォルダを指定(デフォルトはzipファイルと同じフォルダとなります)
3.展開された複数のファイルを、決められたルールでファイル名を変更する
展開されたファイルが上記のように管理しにくい形になっているので修正を行います。
・定型のファイル名を入力する
・フォルダ名から会社名などを抜粋して入力する
といったように、決まったルールに沿って命名します。ファイルを選択し、「F2」キー等で新しい名前に変更します。
4.保存先フォルダへ移動する
フォルダを切り取り → 保存先フォルダ に移動して貼り付け、といった作業を行ってファイルを移動させます。ファイルを選択し「CTRL+X」、移動先のフォルダを選択し「CTRL+V」等の操作で行う事ができます。
・クライアントごとのフォルダ
・この後処理する作業のカテゴリーごとのフォルダ
など、時振り分ける条件もEzRobot上で設定するといった設定も可能です。
EzRobotでは人間が行う各操作をステップ毎に登録しておき、その一連の操作を実行する仕組みになっています。定型業務作業を簡単に手順書に起すということをされたことがあるかと思いますが、それと同じイメージで定型作業の手順をEzRobotに登録していきます。EzRobotは非常に分かりやすい作りになっていますので、プログラム経験のない初心者の方でも短期間で設定できるようになっています。
EzRobot上で作り上げた定型業務作業の手順はEzRobot画面上にある「再生」ボタンを押すことで実行されます。決められた時刻になれば、EzRobotを立ち上げ自動的に実行するという設定もできます。
このEzRobotによる自動化作業については、複数の社会保険労務士事務所で運用を実際に行っております。毎日の業務時間前にEzRobotによる定時実行を行う事で、業務を行う前に必要な書類をダウンロードを完了するといったことが可能となっています。
【まとめ】
Webからzipファイルをダウンロードし、ファイルを展開、さらにファイル名を変更するという作業について自動化の事例を掲載しました。
手作業で10分程度の比較的簡単で小さな作業でも、塵も積もればということで大きな時間と大きな労力となります。こういった小さな作業から自動化を進めて行くことでも、RPA導入の効果を十分得ることが可能です。
RPAの導入といいますと、全社で自動化作業に取り組むといった形でハードルを高く設定しがちですが、こういった身の回りの比較的簡単な作業から自動化を進めて行く進め方でも十分に効果を得る事ができます。自動化の効果を短期間で実感しやすいですし、こういった小さな自動化を繰り返すことで、結果的に作成のスキルが向上し効率よく自動化を進めることができます。